道奥 MICHINOKU せみなりお

聖書を学び、聖書で考え、聖書に生きる

平和を祈りつつ…

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この度のイスラエル軍の空爆により、日本時間の7月14日現在、ガザ地区のパレスチナ人の死者数は150人を越えています。どんな背景があったにせよ人が人を殺すこと、この地上に争いが絶えないことは嘆かわしく、なんと憂うべきことでしょうか。

 

このテーマで書くべきか迷いましたが、そして、書ききれない思いが心に満ちているのですが、それでもここに書き記しておきたいと思います。

 

日本のメディアの中では「イスラエルはアパルトヘイト国家である」と言った報道もあり、「これはイスラエルによる逆ホロコーストである」などという声も耳にします。血に飢えたユダヤ人たちが、民間人であろうと辺り構わずパレスチナ人を殺戮している…といったイメージを持っている人々もいるようです。

 

ツイッター等では、子どもの遺体の写真、子どもに銃を向ける“イスラエル軍兵士”の写真などのショッキングな画像が大量に拡散されています。あまり紹介したくありませんが、1枚だけ…。

 

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※twitterより 

 

この画像と共に「こんな酷いことが行われています!イスラエル軍の凶行を止めさせましょう!」のようなメッセージが拡散されているのですが、イスラエル軍兵士が「サンダル履き」であるというのはすぐ変だと思いました。また、詳しい方々によると「AK-47系」*1の銃を構えていることも奇妙だというのです。大体にしてこのような写真を兵士の側が撮って拡散し始めたのでしょうか、それとも被害を受けている側の誰かがこのアングルで撮影可能だったのでしょうか。疑問を禁じ得ません。

 

拡散されている画像の多くが、今回の空爆とは関係ない過去のものであったり、シリア内戦の写真であるということが指摘されています。正義感から、安直に情報を鵜呑みにして「さあ、広めよう」と思わないよう気をつけたいと思います。

 

私がつい先日訪れたテルアヴィヴ*2やエルサレムも、ガザ地区から発射されるハマスのロケット弾の標的になっており、以下のビデオにあるようにその射程距離は延びているようです。

 

 

日常的に警報サイレンを聞いて急いでシェルターに逃げ込むといった生活は、現代の日本人にとってなかなか想像するのが難しいものがあります。もちろん、ガザのパレスチナ人の生活状況も私たちの想像を越えています。

 

 

参考記事 http://real-japan.org/israel/

 

私は犠牲となった方々の死を悼みます。暴力的行為を憎みます。そして、自戒を込めて言うのですが、安全地帯にいながら、安易に「善悪二元論」で論ずることを極力避けたいと思います。「イスラエルの自衛のためならパレスチナ人が死んでも良いのか!」という問いは、裏返せば「パレスチナ人の犠牲者を出さないためにイスラエル人が死んでも良いのか!」という問いと表裏一体です。

 

無力感を覚えるのも事実ではありますが、悩みつつ、祈りつつ、学びつつ、平和の主イエスが再び地上に来たりたもうことを待ち望みながら、このお方の声に従う歩みに励んでいきたいと思います。

 

 

※著者の見解の全てに必ずしも賛同するという意味ではありませんが、私が今読んでいる本を紹介しておきます。

 

中東 危機の震源を読む (新潮選書)

中東 危機の震源を読む (新潮選書)

 

 

ケース・フォー・イスラエル―中東紛争の誤解と真実

ケース・フォー・イスラエル―中東紛争の誤解と真実

 

 

外交ジャーナリスト・作家の手島龍一氏による書評

http://myrtos.co.jp/images/books/1008serai.pdf

元外交官.作家の佐藤優氏による書評

http://myrtos.co.jp/images/books/1008davinci.pdf

 

 

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*1:正式には「イスラエル国防軍(IDF)」。IDFは、AK-47自国製のIMIガリルを使用。

*2:この記事の最初の画像は、私がテルアビブで撮影したもの。この記事をupした時にはエルサレムのフリー画像を使用したが差し替えた。