道奥 MICHINOKU せみなりお

聖書を学び、聖書で考え、聖書に生きる

第一列王3章

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イスラエルに史上最高の繁栄をもたらす平和の王、ソロモンですが、幾つかのウィークポイントが見受けられます。

 

ソロモンのウィークポイント

一つは、父ダビデと同じように家族・結婚の問題です。彼は、本来すべきでない異邦人との政略結婚をしてしまいます。そして、後には「多くの妻を持ってはならない。心をそらせてはならない。」というみことばに反して、大勢の妻を持つようになります。また、「高き所」と呼ばれる場所で礼拝を行っていました。これはおそらく、カナン人たちが偶像礼拝をした場所の名残と考えられます。もちろん、そこで偶像に礼拝を捧げた訳ではないのですが、しかし、過去に神はこのように命じておられました。

 

あなたがたが所有する異邦の民が、その神々に仕えた場所は、高い山の上であっても、丘の上であっても、また青々と茂ったどの木の下であっても、それをことごとく必ず破壊しなければならない。彼らの祭壇をこわし、石の柱を打ち砕き、アシェラ像を火で焼き、彼らの神々の彫像を粉砕して、それらの名をその場所から消し去りなさい。あなたがたの神、主に対して、このようにしてはならない。(申命記12:2-4)

 

「これぐらいは仕方がない」「形だけなら問題ない」と妥協を重ねる中で、信仰の中身が脅かされてしまうことがあります。「厳し過ぎる」「狭い考えだ」と非難されることがあっても、毅然とした態度を取るべきときがあります。神(キリスト)と私たちとの関係は夫婦関係の原型ですが、たとえば、夫が妻ではない女性と関係を持ち、妻に対して「あれは肉体の関係だけで、心はあなたを愛している」と言い訳をしたらどうでしょうか…。


私たちも、自分の生活の中での「異邦人の妻」「高き所」は何だろうかと問うてみる必要があります。「これぐらいなら大丈夫」と言い訳をしながら、自分の生活の中に置いてしまっている「霊的不純物」はないでしょうか。

 

聞き分ける心を与えてください

彼は確かに不完全な人物でしたが、少なくともこの時点では心から主を愛し、父から受け継いだ信仰の道を歩もうとしていました。主はそのようなソロモンに対して、「あなたに何を与えようか。願え。」と語られました。皆さんなら何を願うでしょうか。ある人は健康、ある人は富や名声を願うかも知れません。しかし、ソロモンはこう応えました。

 

「わが神、主よ、あなたは父ダビデに代わる王として、この僕をお立てになりました。しかし、わたしは取るに足らない若者で、どのようにふるまうべきかを知りません。どうか、あなたの民を正しく裁き、善と悪を判断することができるように、この僕に聞き分ける心をお与えください。そうでなければ、この数多いあなたの民を裁くことが、誰にできましょう。」(3:7-8, 新共同訳)


ソロモンは神の前に「自分は取るに足らない。自分は知りません。分かりません」と認めていました。そして、何よりも必要なのは「正確にみことばを聞き分ける力」「識別力」「知恵」であることを知っていたのです。

 

幸いなことよ。知恵を見いだす人、英知をいただく人は。(箴言3:13)

 

私は祈っています。あなたがたの愛が真の知識とあらゆる識別力によって、いよいよ豊かになり、あなたがたが、真にすぐれたものを見分けることができるようになりますように。(ピリピ1:9-10)


神は知恵を求めたソロモンに対して、知恵とともに富と誉れと長寿とを約束されました。御心に適った願いに対して、神はその願いを上回る答えを与えてくださるのです。この後、ソロモンは、ふたりの遊女のトラブルを見事な知恵によって裁きます。

 

イスラエル人はみな、王が下したさばきを聞いて、王を恐れた。神の知恵が彼のうちにあって、さばきをするのを見たからである。(3:28)

 

武力や高圧的な態度で民を恐れされるのではなく、ソロモンは、神からの知恵(みことば理解)による適確な判断によってリーダーシップを確立しました。これは家庭、職場、教会でも同じように求められるリーダーの在り方です。ソロモンと同じように「主よ、私は取るに足らないものです。分かりません。どうか知恵を与えてください」と主に祈り求めたいと思います。

 

あなたがたの中に知恵の欠けた人がいるなら、その人は、だれにでも惜しげなく、とがめることなくお与えになる神に願いなさい。そうすればきっと与えられます。(ヤコブ1:5)

 

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