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道奥 MICHINOKU せみなりお

聖書を学び、聖書で考え、聖書に生きる

第一列王5章

第一列王記

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ダビデ王の時代からイスラエルと友好関係を持っていた「ツロの王ヒラム」が、ソロモンに遣いの者を送ります。ツロはイスラエルの北にあった国で、今日のレバノンです。

 

ソロモンはヒラムに、父ダビデの代からの念願であった神殿建築に協力してくれるよう要請します。

 

今、私は、私の神、主の名のために宮を建てようと思っています。主が私の父ダビデに『わたしが、あなたの代わりに、あなたの王座に着かせるあなたの子、彼がわたしの名のために宮を建てる』と言われたとおりです。どうか、私のために、レバノンから杉の木を切り出すように命じてください。私のしもべたちも、あなたのしもべたちといっしょに働きます。私はあなたのしもべたちに、あなたが言われるとおりの賃金を払います。ご存じのように、私たちの中にはシドン人のように木を切ることに熟練した者がいないのです。(5:5-6)


具体的には、神殿の建材となる「レバノン杉」*1と熟練した働き人の提供を依頼しました。それに対して、ヒラムは喜んで応じます。ソロモン治世下のイスラエルの国力をもってすれば、軍事力でツロを脅かして、言うことを聞かせることもできたでしょう。しかし、ソロモンは丁寧にお願いをし、また、賃金を払い、心を尽くして協力への礼をし続けました。


ヒラムは、主(ヤハウェ)を自分の神として信じる者ではなかったでしょうが、良い協力者となってくれました*2キリスト者と未信者は多くのことについて協力し合うことができます。双方に神の恵みが注がれていますので、互いに敬意と仕え合う心をもって力を合わせることができます。そのことを覚えつつ、一方、どうしても分かり合えない部分や譲れない部分が出てくる可能性も認めておく必要があります。


新約聖書において「神殿」は、「教会」あるいは「ひとりひとりのキリスト者」を示す表現としても用いられます。私たちはソロモン神殿の建設の記事を読みながら、そこにある原理、原則を読み取り、私たちの「教会形成」「キリスト者としての成熟」に当てはめてよく考えることをしたいと思います。

 

王は、切り石を神殿の礎に据えるために、大きな石、高価な石を切り出すように命じた。(5:17)

 

私たちの教会の土台、私たちキリスト者の土台は、イエス・キリストです。主は、1世紀のユダヤ人指導者から見れば敵であり、捨て去るべき反乱分子でした。そして、彼らは実際に彼らは主を十字架へと追いやりました。このことをペテロは次のように記しています。

 

主のもとに来なさい。主は、人には捨てられたが、神の目には、選ばれた、尊い、生ける石です。あなたがたも生ける石として、霊の家に築き上げられなさい。そして、聖なる祭司として、イエス・キリストを通して、神に喜ばれる霊のいけにえをささげなさい。(1ペテロ2:4-5) 

 

十字架に架けられた主は、人の目から見てどうであったとしても、神の目には「選ばれた、尊い、生ける石」です。私たちがこの主イエス様を土台の石とし、「来なさい」と仰るこのお方のもとにいつも生き続けるなら、私たちも建物を構成する「小さな生ける石(複数形、つまり“石々”)」とされ、ともに霊の家(神殿, 教会)を築き上げていくことができるのです。

 

その霊の家には、いつも圧倒されるような神の臨在があり、神への礼拝が絶え間なく捧げられており、建材(ひとりひとり)はしっかりと組み合わさっており、全く揺らぐことがありません。現在の私たちの教会から見ると「まだまだ遠い」と思うかも知れません。しかし、私たちは、教会がいかに偉大で高価な土台の上に建てられているかを覚え、そのことを誇りとし、いつもその事実に立ち返りながら、教会形成(神殿建築)に心を注いでいくのです。

 

*1:「正しい者は、なつめやしの木のように栄え、レバノンの杉のように育ちます。」(詩篇92:12)などの箇所で、この「レバノン杉」は威厳や力などの象徴として用いられている。

*2:2歴代誌2章では「フラム」としてこの人物について記録されている。この箇所を見ると、彼がイスラエルの神をほめたたえている姿が見られるので、ヤハウェを信じる者であった可能性も否定はできない。「さらに、フラムは言った。『天と地とをお造りになったイスラエルの神、主はほむべきかな。主はダビデ王に、思慮と悟りとを備えた知恵ある子を授け、主のための宮と、自分の王国のための宮殿とを建てさせられるのです。今、私は才知に恵まれた熟練工、職人の長フラムを遣わします。彼はダンの娘たちのうちのひとりの女から生まれた者であり、彼の父はツロの人です。彼は、あなたの熟練工と、あなたの父、私の主ダビデの熟練工とともに、金、銀、青銅、鉄、石材、木材の細工を心得、紫、青、白亜麻布、紅などの製造を心得、彼にゆだねられたあらゆる種類の彫り物を刻み、彼の創案に任されたすべてのものを巧みに設計することのできる男です。今、私の主が語られた小麦と大麦、油とぶどう酒を、そのしもべたちにお送りください。私たちのほうでは、お入用なだけレバノンから木材を切り、これをいかだに組んで、海路をヤフォまであなたのもとにお届けします。そこからあなたがこれをエルサレムに運び上ってください。」(2:12-16)