道奥 MICHINOKU せみなりお

聖書を学び、聖書で考え、聖書に生きる

第一列王6章

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イスラエルの民が出エジプトをしてから480年が経過しています。ソロモンはいよいよ、主の家すなわち神殿の建設に取りかかりました。

 

 単に「神殿があるといいな」「やろうかな」と思っただけではなく、実際に取りかかり、それを7年(正確には7年6ヶ月)もかけて成し遂げていることには感銘を受けます。


さて、神殿のサイズ等、いわゆる「仕様書」がここに記されています。神殿はモーセ時代から用いられた「幕屋」と同じ構造をしており、ちょうど二倍のサイズでした。キュビトは44センチですが、大雑把に「半メートル」とイメージすると「10キュビト≒5メートル」という計算ができます。

 

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 ※『バイブルガイドー目で見てわかる聖書ー』より

 

神殿は、建てるとき、石切り場で完全に仕上げられた石で建てられたので、工事中、槌や、斧、その他、鉄の道具の音は、いっさい神殿の中では聞かれなかった。(6:7)


プレハブ工法のように、別の場所で完全に仕上げられたものを持って来て積み上げるだけという方法で建設が行われました。このことに関して、あまり深い意味を読み込む必要はありませんが、普通の建築とは違う厳かな様子が思い浮かびます。

 


神殿建設の最中、ソロモンに主のことばが与えられます。

 

「あなたが建てているこの神殿については、もし、あなたがわたしのおきてに歩み、わたしの定めを行い、わたしのすべての命令を守り、これによって歩むなら、わたしがあなたの父ダビデにあなたについて約束したことを成就しよう。わたしはイスラエルの子らのただ中に住み、わたしの民イスラエルを捨てることはしない。」(6:13-14)


これは素晴らしい約束ですが、果たしてソロモンはそれを全うすることができるでしょうか。残念ながらそうはなりません。聖書を見ると、人間はことごとく神との契約を破ってきました。そして、主は最終的に、主ご自身が全ての責任を負われる形で私たちと新しい契約を結んでくださいました。それはイエス・キリストによる新しい契約です。これについてはまた詳しく別の機会に述べることとしましょう(←この約束は果たされるでしょうか?)。

 

第十一年目のブルの月、すなわち第八の月に、神殿のすべての部分が、その明細どおりに完成した。これを建てるのに七年かかった。(6:38)


その「明細」とは、父ダビデから授かった仕様書のことです。これについては、1歴代誌28章を参照してください。

 

ダビデはその子ソロモンに、玄関広間、その神殿、宝物室、屋上の間、内部屋、贖いの間などの仕様書を授けた。…「これらすべては、私に与えられた主の手による書き物にある。彼は、この仕様書のすべての仕事を賢く行なう。」それから、ダビデはその子ソロモンに言った。「強く、雄々しく、事を成し遂げなさい。恐れてはならない。おののいてはならない。神である主、私の神が、あなたとともにおられるのだから――。主は、あなたを見放さず、あなたを見捨てず、主の宮の奉仕のすべての仕事を完成させてくださる。(1歴代28;11, 19-20)


神殿建設が「仕様書通り」になされたように、教会形成もそのようになされる必要があります。ある人々がこの世のビジネス手法によって教会を拡大しようとします。ある人々は個人の好みや思いつき、教派教団やその教会の慣習を踏襲することで教会形成をしようと考えます。しかし、教会の「仕様書」は聖書以外の何ものでもありません


パウロはテモテの手紙第一を記した際、その執筆目的を「神の家でどのように行動すべきかを、あなたが知っておくためです。神の家とは生ける神の教会のことであり…」(1テモテ3:15)と記しました。

 

教会の礼拝について、伝道や訓練について、リーダーシップや意思決定の仕組みについて、私たちは常に「私がどう思うか」ではなく「聖書は何と言っているか」を確認する者でありたいと思います。教会形成プロジェクトの「施主」である主ご自身が「私の指示した通り、よく建ててくれたね」と喜んでくださる教会形成を目指したいと思います。

 

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