道奥 MICHINOKU せみなりお

聖書を学び、聖書で考え、聖書に生きる

第一列王15章

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「列王記(The Book of the Kings)」の名前にふさわしく、北イスラエルと南ユダの二つの王国の王の記録が続きます。「北王国の〜〜王の治世の◯年目に、一方の南王国で〜〜が王となった」といった形式で南北王国の様子が交互に描かれています。


南ユダ王国の二代目*1の王はダビデのひ孫アビヤムです。彼は「父(レハブアム)がかつて犯したすべての罪を行い」(2節)ました。それでも主は「ダビデに免じて…エルサレムにおいて彼に一つのともしびを与え、彼の跡を継ぐ子を起こし」ます。そして、エルサレムの都が倒れることがないよう守られたのです。


イスラエル民族とエルサレムが守られたように、2000年の間、主なる神は「教会」を憐れみ、支えてくださいました。異端が現われたり、教職者が堕落したり、宣教の情熱が弱まったりと様々なことがありましたが、それでも「御子イエスに免じて」憐れみを示してくださったのです。


アビヤムの次に、アサが王になります。彼の母はアブシャロムの娘マアカとなっていますが、これは父アビヤムの母と同一人物です。つまり、実際には祖母です。曾祖父や祖父を「父」と呼ぶといったことはよくあることでしたので(実際ここではダビデが父と呼ばれている)そのような例の一つでしょう。

 

アサは父ダビデのように、主の目にかなうことを行った。彼は神殿男娼を国から追放し、先祖たちが造った偶像をことごとく取り除いた。彼はまた、彼の母マアカがアシェラのために憎むべき像を造ったので、彼女を王母の位から退けた。アサはその憎むべき像を切り倒し、これをキデロン川で焼いた。高き所は取り除かれなかったが、アサの心は一生涯、主と全く一つになっていた。彼は、彼の父が聖別した物と、彼が聖別した物、すなわち、銀、金、器類を、主の宮に運び入れた。(15:11-15)

 

アサは淫らな儀式の廃止、偶像の破棄を行いました。強い権力と影響力をもっていたであろうマアカをさえ毅然とした態度で王母の地位から退けました。神殿での礼拝も本来の聖さを取り戻し始めました。「高き所」を破壊すれば100点満点だったかも知れませんが、そこまでの改革には及ばなかったようです。それでも彼の「心は一生涯、主と全く一つになっていた」と評されています。彼は、王国の歴史のともしびとして用いられました。

 

アウグスティヌスなどの優れた教父、ルターやカルヴァンなどの宗教改革者、ウィリアム・ケアリーやハドソン・テイラーなどの宣教者などなど、挙げればキリがありませんが、神は教会の歴史の中にいくつもの「ともしび」を起こしてくださっています。霊的に暗い時代に、神のことばと聖霊の力によって改革をもたらした器たちです。私たちは聖書と教会の歴史をよく学び、そこから霊的な教訓を受け取り、我々の時代にも「ともしび」が灯るように祈り、努めたいと思います。

 

※ 子どもたちに信仰の偉人たちの伝記を読ませることは非常に良い教育です。『少年少女信仰偉人伝』は絶版になっている古いシリーズですが良書です。一部古本で手に入ります。以下のまんがも良いでしょう。

まんが キリスト教の歴史 世界篇 (Forest books)

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マンガで読む日本キリスト教史 タイムっち

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*1:王国分裂後から数えて、初代レハブアムに次ぐ二代目。その前は「統一王国(United Kingdom)」では、初代がサウル(統一は未完だったが)、二代目がダビデ、三代目がソロモン。