道奥 MICHINOKU せみなりお

聖書を学び、聖書で考え、聖書に生きる

使徒の働き9章

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サウロの回心

いよいよサウロ*1の回心です。彼は、熱心なパリサイ派のユダヤ教徒でした。彼は、十字架にかけられたイエスをメシヤとして信じている人々が許せなかったのです。

 

 「サウロは教会を荒らし、家々に入って、男も女も引きずり出し、次々に牢に入れた。」(8:3)

 

さてサウロは、なおも主の弟子たちに対する脅かしと殺害の意に燃えて、大祭司のところに行き、ダマスコの諸会堂あての手紙を書いてくれるよう頼んだ。それは、この道の者であれば男でも女でも、見つけ次第縛り上げてエルサレムに引いて来るためであった。(9:1-2)

 

この当時、教会はまだ正式名称を持たず「この道の者」と呼ばれていました。サウロは容赦ない迫害を行いましたが、それを当時の彼は正義と確信していました。

 

ところが、道を進んで行って、ダマスコの近くまで来たとき、突然、天からの光が彼を巡り照らした。彼は地に倒れて、「サウロ、サウロ。なぜわたしを迫害するのか」という声を聞いた。(9:3-4)

 

サウロはここで、まばゆい光の中で復活の主イエスご自身との出会いを経験します。サウロが迫害していたのは「教会」ですが、しかし、主は「“わたし”を迫害するのか」と語られました。5節でも同様です。主イエスは、教会をご自身の「体」としてくださっています。また、「花嫁」とも呼んでくださっています。教会を愛し尊ぶことは主ご自身を愛することであり、教会への迫害は主ご自身に対するものとなることを覚えたいと思います。

 

サウロに対して、主イエスは「ご自身がどなたであるか」「何をすべきか」を示されました。私たちが知るべきことも、主イエスがどんなお方であるか、主が私たちにどんな生き方を望んでおられるかということです。

 

サウロは三日間、目も見えず、食事もできない状況でしたが、そこに、アナニヤという弟子が主から遣わされます。アナニヤにとってサウロは恐ろしい迫害者でした。しかし、主はこう言われました。

 

「行きなさい。あの人はわたしの名を、異邦人、王たち、イスラエルの子孫の前に運ぶ、わたしの選びの器です。」(9:15)

 

主は、その人の過去がどうであれ、その人を選び、ご自身の働きを為す「器」として用いることがおできになります。そして、私たち一人一人もそれぞれ「器」として選ばれています。そのことを自覚し、誇りを持って歩んでいますか。あなたは、どんな役割に用いられる器でしょうか。

 

また、あなたがたの手足を不義の器として罪にささげてはいけません。むしろ、死者の中から生かされた者として、あなたがた自身とその手足を義の器として神にささげなさい。(ローマ6:13)

 

ちなみに、この箇所から「目からウロコ」という言葉が生まれました。パウロは視力の回復ももちろんですが、聖霊に満たされ、霊においてもよく見える人となったのです。そして、彼は宣教者としての道を歩み出します。迫害者であった彼は、あっという間に迫害を受ける側になり、暗殺計画のターゲットとなります。暗殺から逃れたパウロは、この後、しばらく身を隠して宣教の準備期間を経ます。

 

前進する初代教会

こうして教会は、ユダヤ、ガリラヤ、サマリヤの全地にわたり築き上げられて平安を保ち、主を恐れかしこみ、聖霊に励まされて前進し続けたので、信者の数がふえて行った。(9:31)

 

ここには、教会の目指すべき姿が示されています。教会は「築き上げ」られていく必要があります。それは、キリストの福音という土台の上に地道に建て上がられ、堅固な城のように組み合わされた霊的建物であり、共同体です。そこには「平安(平和)」な人間関係があり、何よりも「主ご自身に対する恐れ」があります。そして、「聖霊によって励まされ」ているがゆえに、後ろ向きな姿勢ではなく「前進」していくことを選ぶのです。だからこそ、多くの人々が教会を通して福音を聞き、救われて「信者になる」ことが起こるのです。

 

そのような教会が各地に増え広がっていく…。このことを現代においても見たいと心から願います!

 

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*1:ユダヤ名:サウロ、ギリシヤ名:パウロ