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道奥 MICHINOKU せみなりお

聖書を学び、聖書で考え、聖書に生きる

ヨブ記(はじめに)

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さあ、ヨブ記を学んでいきましょう。大富豪であり、敬虔な信仰者であったヨブに、大きな苦難が襲いかかります。それに対してヨブ、その妻、四人の友人たちはどのように応答するでしょうか…。

 

ヨブ記に関する基本情報

 

ある人々はヨブの実在を疑いますが、私たちはヨブが実在の人物であったことを信じます。エゼキエル、ヤコブといった聖書記者たちもヨブの名前を実在の人物として挙げています。ヨブがどの年代の人物であるかを詳細に特定することは難しいのですが、彼の生活様式や信仰の態度、生きながらえた年月などから、アブラハム、イサクなどの族長時代の人物であると考えられます。この書物の著者は不明ですが、モーセ、ソロモンなど様々な説があります。私自身は、聖書自体が著者を明記している場合はそれを信頼し、明記されていない場合は断定しないというスタンスをとっています。

 

ヨブ記の大きなテーマは「苦難」です。人生には必ず苦難があります。そして、苦難に遭うとき人は「なぜ?」と問います。明らかに悪いことをしていた場合は「バチが当たったのだ」という説明ができるかもしれませんが、他の人よりもずっと善良で誠実に生きている人物に苦難が襲い掛かることもあります。当事者である自分自身も、周りの人々も、その苦難を説明しようとします。しかし、答えは出ません*1。では、神はどのようにお答えになるのでしょうか…。

 

皆さんもそれぞれに苦難を味わい、悲しみや痛みを味わいながら歩んでこられたことでしょう。この世では「なぜ?」と思うことが起こります。「時が経てば、いつかこの出来事の意味がきっと分かるよ」などという言葉を聞いても、白々しく思えます。この地上では一生分からないこともたくさんあると思うのです。しかし、神はすべてをご存じであり、この神の愛と正義には一点の曇りもない…。ヨブは苦しみの中で、その神ご自身の前にひれ伏していきます。

 

見なさい。耐え忍んだ人たちは幸いであると、私たちは考えます。あなたがたは、ヨブの忍耐のことを聞いています。また、主が彼になさったことの結末を見たのです。主は慈愛に富み、あわれみに満ちておられる方だということです。(ヤコブの手紙5:11)

 

ヨブ記のアウトライン

 

1. ヨブの苦悩(1-3章)

 A. ヨブの繁栄(1:1-5)

 B. ヨブの災難(1:6-2:13)

 C. ヨブの混乱(3章)

 

2. ヨブの弁明(4-37章)

 A. 第一ラウンド(4-14章)

  1. エリファズ(4-5章)ーヨブの応答(6-7章)

  2. ビルダデ(8章)ーヨブの応答(9-10章)

  3. ツォファル(11章)ーヨブの応答(12-14章)

 

 B. 第二ラウンド(15-21章)

  1. エリファズ(15章)ーヨブの応答(16-17章)

  2. ビルダデ(18章)ーヨブの応答(19章)

  3. ツォファル(20章)ーヨブの応答(21章)

 

 C. 第三ラウンド(22-37章)

  1. エリファズ(22章)ーヨブの応答(23-24章)

  2. ビルダデ(25章)ーヨブの応答(26-31章)

  3. ツォファル(31-37章)

 

3. ヨブの解放(38-42章)

 A. ヨブをへりくだらせる神(38:1-42:6)※特に40:3-5, 42:1-6

 B. ヨブを引き上げる神(42:7-17)

  1. ヨブの非難を叱責する神(42:7-10)

  2. ヨブの繁栄を回復する神(42:11-17)

 

(“Wiersbe's Expository Outlines on the Old Testament”より)

*1:ヨブ記の大部分は詩文の形態をとっており、これらは直接的に教理を教えている箇所ではない。ヨブと友人たちの議論は「人間が苦難についてどんな説明をするか」という視点で記述がなされているため、彼らの言葉をそのまま切り取って真理として受け止めることは誤りである。