第二コリント(はじめに)
コリント人への手紙第二を読んでいきます。パウロはこの手紙の中で「私は慰めに満たされ、どんな苦しみの中にあっても喜びに満ちあふれています。」(7:4)と語ります。苦難の中での慰め、弱さの中での強さ、死の中での命、肉体的苦しみの中での霊的な刷新などなど、この手紙におけるパウロは「逆説的」です。
もし、私たちの人生から神の恵みを排除すれば、「〜だから〜である」という論法しか成り立ちません。「失敗したから不幸になる」「罪人だから裁かれる」などなど…。しかし、神の恵みが私たちの人生に介入し、私たちがそれを信仰をもって受け入れる時には「しかし」「にもかかわらず」という「逆説」が成り立つようになるのです。
パウロというと、権威ある使徒、神学者、宣教者というイメージがありますが、しかし、この手紙を読むと、彼が羊たちを心にかけ、教会の建て上げのために骨を折る真の牧会者であったこともよく分かります。パウロは「日々私に押しかかるすべての教会への心づかい」(11:28)と語っています。彼のその労苦を支え促していたのは、私たちのために苦しまれたキリストの姿であり、将来栄光の中でこのお方と再会する希望でした。
アウトライン
1. パウロ自身のミニストリーに関する説明(1-5章)
A. 苦難にあったが、滅ぼされない(1章)
B. 悲しんだが、絶望しない(2章)
C. 霊的であって、肉的ではない(3章)
D. 真摯であって、虚偽ではない(4章)
C.真剣であって、不注意ではない(5章)
2. パウロによる教会への訓戒(6-9章)
A. 試されたパウロの働き(6:1-13)
B. 罪からの分離の励まし(6:14-7:1)
C. 主にある和解の勧め(7:2-16)
D. 捧げものにおける協力の要請(8)
3. パウロの使徒性に関する弁明(10-13章)
A. 自身の立ち振る舞いについての弁明(10章)
B. 自身の動機についての説明(11章)
C. 自身の利益についての主張(12章)
D. 自身の使命についての宣言(13章)
(Wiersbe's Expository Outlines on the New Testament, Zondervan Study Bible NIVなどを参考にしました)