道奥 MICHINOKU せみなりお

聖書を学び、聖書で考え、聖書に生きる

教会再生と牧会理念(2)

f:id:mentoringservant:20190103145230j:plain

前の記事では教会の健康状態を問いました。残念ながら教会が著しく不健康な状態に陥ってしまう場合があります。今回の記事では、いくつかの典型的症状に私なりの「病名」をつけてみました。まずは病気についてしっかりと見つめ、今後の記事でそれに対する処方箋、治療法について考えていきたいと思います。

 

  1. 霊的低体温症:祈りの欠如が著しく、それがあるとしても集会の中でプラグラム化されている場合のみ。たとえば、礼拝で司会者が祈るとか、会議の始まりや終わりで行う“決まりごと”として祈るとか。礼拝に集う際の期待感の欠如、御言葉/説教に耳を傾ける時の無関心な態度、賛美を捧げる際の気怠い姿勢、奉仕や伝道についての情熱の希薄さ、覇気の無さ、マンネリ化、霊的無関心。


  2. 過去の栄光依存症:栄光の対象は、以前活躍した偉大な牧師や宣教師かもしれない。以前はうまくいっていた伝統あるプログラムかもしれない。過去に用いられた建物やあるいは土地に対するこだわりかもしれない。本来はみことばにしがみつき、神ご自身にしがみつくべきであるのに…。


  3. 些細な問題過敏症:大きなことよりも些細なことが問題になる…。つまり、重要度の大きなことがないがしろになってしまっている。例えば、ある教会は説教台を新調するかどうかで教会が分裂し、ある場所に花を飾るか飾らないかで大喧嘩をする…。その間、大宣教命令が遂行されていくことや各々がキリストに似た者となっていくことなどは疎かにされてしまう…。多くの人々が「私の好む音楽スタイル」「私の望む長さと順序による礼拝式」「私が望む色とデザインによる建物と部屋」「私の好む活動とプログラム」「私が必要とする教職者とスタッフ」といったふうに「私、私、私...」にこだわっているからこそ起こってくる病。


  4. 責任転嫁障害:教会に問題があるとは考えているが、責任は「外」にあると考えている…。このような教会の牧師や教会員はお互いに責任をなすりつけあって「私はどのように変わったら良いでしょうか」とは考えない。「あの牧師が悪い」「あの役員のせいだ」「地域の住民がこうだから…」「今の時代というのはまったく〜でけしからん」などなど…。


  5. 変化恐怖/嫌悪症:変化に対する恐れ、嫌悪感が著しく強い。慣性の法則、惰性に支配されている状態。「変化、改革をしない教会は死んでいます。教会の変化、改革は確かに大変に危険で不快なことでしょう。それよりもはるかに大きな危険は変わらないことなのです。」(トム・レイナー)


  6.  内向き症候群:例えば、伝道や牧会への投資、人件費などを削り、コストカットで組織を延命しようとする。このような教会が仮に「伝道」という言葉を口にしても、往々にして、それは「自分たちの組織を維持するためにどうやって奉仕者、献金者を集めるか」と意味する…。関心事は、今残っている教会員の心地よさやそこにいる人々の都合だけに集中している。


  7.  牧師の在職期間短縮症:牧師が短期間に何人も入れ替わる…。これは教会の不健康の原因でもあり、結果でもあるケースが多いだろう。大抵、牧師招聘委員会は新しい牧師候補者に「私達は変化したいです。ぜひ導いてください」といった類のことを言う。しかし、牧師は着任後、実際にはそうでないという現実に気づく…。その時にどうするか…。ある牧師たちは教会に対する不平不満を言って、あまりにも早く別天地を求め始める…。 トム・レイナーは、牧師着任後の1年はハネムーン、その後、対立と挑戦の時期、岐路を経て、平均6年後に実りと刈り取りの時期を迎えるということを指摘している。この日本においては、収穫までもっと長くかかるのでないかと私個人は思っている。 

  8. 病識の欠如:病気であること、重病であることに気づかない、あるいは認めない状態。「健康な人に医者はいらない」というのは、主イエスの“皮肉”的な表現であり、実際には「自ら健康“だと思い込んでいる”人」のことを指している。それと同じような状態に陥っている教会が少なくないのである。確かに教会の不健康、病的状態は、一般的に言って急に生じるものでなく、徐々に時間をかけて生じてくる。だからこそ、衰退や病状の信仰に気づきにくいとも言えるだろう。

 

 

書いていても心が暗くなってきますが、残念ながらこのような病状は珍しいものではありません。先日もこれらの“病気”で悩んでいる教会の牧師の相談を受けましたし、実はこの記事を書く数時間前にも“病気”で悩む教会の信徒の方から相談の電話を受けました…。さて、このような病気に対する処方箋はあるのでしょうか?

 

(続く)

 

 

※これらの症状については、トム・レイナー博士による「亡くなった教会の検死報告〜あなたの教会を活かし続ける12の道〜(Autopsy of a Deceased Church: 12 Ways To Keep Yours Alive)」を参考にしながら、日本の教会の現状を踏まえて書きました。

Autopsy of a Deceased Church: 12 Ways to Keep Yours Alive (English Edition)

Autopsy of a Deceased Church: 12 Ways to Keep Yours Alive (English Edition)

 

 


Autopsy of a Deceased Church: 12 Ways To Keep Yours Alive by Thom S. Rainer

 

 

※上で触れた牧師の招聘や在職期間(辞任転任)については、日本基督教団別府不老町教会の齋藤真行牧師が書かれた記事をぜひお読みいただきたい。最初のいくつかの記事のリンクを以下に貼っておく。

 

<記事1>

theology.seesaa.net

<記事2>

theology.seesaa.net

<記事3>

theology.seesaa.net

 

教会の原点へ立ち返る旅 ~霊性の回復を求めて~

教会の原点へ立ち返る旅 ~霊性の回復を求めて~

 
牧師の職務: ?召命・課題・実践のエッセンス?

牧師の職務: ?召命・課題・実践のエッセンス?

 

 

必要なことはただ一つ ~多元社会を生きる教会の役割~

必要なことはただ一つ ~多元社会を生きる教会の役割~