道奥 MICHINOKU せみなりお

聖書を学び、聖書で考え、聖書に生きる

ネヘミヤ記6章

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ネヘミヤが主導して行われた城壁工事は、長さ3kmx高さ2.4mx 厚さ(幅)2.75mの大工事でした。しかし、それが驚くべき速さで完成します。始めることは簡単ですが、成し遂げるのは本当に難しいものです。

 

さて、私が城壁を建て直し、破れ口は残されていないということが、サヌバラテ、トビヤ、アラブ人ゲシェム、その他の私たちの敵に聞こえると、――その時まで、私はまだ、門にとびらを取りつけていなかった。――サヌバラテとゲシェムは私のところに使いをよこして言った。「さあ、オノの平地にある村の一つで会見しよう。」彼らは私に害を加えようとたくらんでいたのである。(6:1-2)

 

抵抗勢力が会見へと誘います。しかし、企みを見抜いているネヘミヤはそれに応じません。それでもしつこく彼らが誘いをかけ、最後には「お前たちが反逆を企んでいるとペルシヤ王に告げ口するぞ」と脅しをかけてきたことが記されています。

 

そこで、私は彼のところに人をやって言わせた。「あなたが言っているようなことはされていない。あなたはそのことを自分でかってに考え出したのだ。」と。事実、これらのことはみな、「あの者たちが気力を失って工事をやめ、中止するだろう。」と考えて、私たちをおどすためであった。(ネヘミヤ6:8-9)

 

それでもネヘミヤは気力を失うことがありませんでした。彼はシェマヤという人物の家に行きます。

 

私がメヘタブエルの子デラヤの子シェマヤの家に行ったところ、彼は引きこもっており、そして言った。「私たちは、神の宮、本堂の中で会い、本堂の戸を閉じておこう。彼らがあなたを殺しにやって来るからだ。きっと夜分にあなたを殺しにやって来る。」(6:10)

 

ネヘミヤがこの人物の家に行ったということは、おそらく彼を信頼し、何かアドバイスを求めようとしたと考えられます。しかし、家に行ってみるとその預言者が引き込もっており、おそらく扉越しに「今晩、神殿で落ち合おう。そして、神殿の本堂に入って隠れよう。そうすれば、暗殺者たちから身を守ることが出来る。」と語るのです。しかし、神殿内部に入ることは本来許されてはいません。

 

ネヘミヤの洞察力

 

そこで、私は言った。「私のような者が逃げてよいものか。私のような者で、だれが本堂にはいって生きながらえようか。私ははいって行かない。」私にはわかっている。今、彼(預言者シェマヤ)を遣わしたのは、神ではない。彼がこの預言を私に伝えたのは、トビヤとサヌバラテが彼を買収したからである。彼が買収されたのは、私が恐れ、言われるとおりにして、私が罪を犯すようにするためであり、彼らの悪口の種とし、私をそしるためであった。(6:11-13)

 

ネヘミヤは「私には分かっている」と言いました。彼は5回もの誘いが罠であることも、預言者シェマヤの語る言葉に従うべきでないことも、はっきりと見抜いていたのです。ネヘミヤには「霊的洞察力」(神から特別に与えられた洞察力)がありました。

 

効果、ご利益、不思議、神秘があるからといって真に良いものとは限りません。権力、権威のある人が正しいとも限らないし、感情、フィーリングで「そう思う」からといって本当とも限りません。私たちにとっても、見分ける力はとても重要なものです。

 

愛する者たち。霊だからといって、みな信じてはいけません。それらの霊が神からのものかどうかを、ためしなさい。なぜなら、にせ預言者がたくさん世に出て来たからです。霊だからといってみな信じてはいけません。(1ヨハネ4:1)

 

どうやって偽預言者を見抜くことができるのでしょうか。それは、本当の預言を知ることです。

 

預言をないがしろにしてはいけません。すべてのことを見分けて、ほんとうに良いものを堅く守りなさい。(1テサロニケ5:20-21)

 

本当の預言である「聖書」をないがしろにするなら、私たちは洞察力を失います。。しかし、もし、私たちが聖書を丁寧に学び、それを人生の中でしっかりと体得していくなら、私たちには洞察力が与えられます!

 

 

ネヘミヤの勇気

 

人生には怖いと思うことが沢山あります。積極的姿勢をもって何かにチャレンジしているならなおさらです。

 

これらのことはみな、「あの者たちが気力を失って工事をやめ、中止するだろう。」と考えて、私たちをおどすためであった。ああ、今、私を力づけてください。(6:9)

 

当時を思い起こしてこれを書いているネヘミヤの心の内に、思わず記憶が鮮明によみがえり、この「ああ、今、私を…」のワンフレーズを書かせたのかもしれません。本当に価値ある働きだからこそ、抵抗に遭うという面があります。ネヘミヤも怖かったのです。しかし、ネヘミヤは、勇気がなくてもできることではなく、神に頼らなくても自分できそうなことではなく、「神よ、今、私を力づけてください」と祈りながらでなければできないことにチャレンジをしたのです。

 

少し前の時代に語られたこの預言を、ネヘミヤも自分のこととして味わったのではないでしょうか。

 

しかし、ゼルバベルよ、今、強くあれ。――主の御告げ。――エホツァダクの子、大祭司ヨシュアよ。強くあれ。この国のすべての民よ。強くあれ。――主の御告げ。――仕事に取りかかれ。わたしがあなたがたとともにいるからだ。――万軍の主の御告げ。――(ハガイ2:4)

 

 

ネヘミヤの大義

 

こうして、城壁は五十二日かかって、エルルの月の二十五日に完成した。私たちの敵がみな、これを聞いたとき、私たちの回りの諸国民はみな恐れ、大いに面目を失った。この工事が、私たちの神によってなされたことを知ったからである。(ネヘミヤ6:15-16)

 

これがネヘミヤの目指していたものでした。この城壁再建プロジェクトは、自分のプライドや損得のための闘いではありません。生きている神がおられ、働いていることをネヘミヤは証明したかったのです。彼は「偉大な神が本当におられ、この神の素晴らしさを何としても現わしたい!そのために私は生き、そのために私は死ぬんだ!」という心で、目的をもって走っていたのです。


何をするにも「目的」が大事です。そして、究極的には、神の喜び、神の栄光につながらないことは、結局、目的にする価値がありません。しかし、どんな小さな働きでも、誰にも気づかれないささやかな営みでも、神を喜び、神を喜ばせるためになされる業は尊いのです。

 

こういうわけで、あなたがたは、食べるにも、飲むにも、何をするにも、ただ神の栄光を現わすためにしなさい。(1コリント10:31)

 

 

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