教会再生の具体的プロセス4:土壌調査をする
「土壌調査」という表現を用いましたが、これは再生を目指すあなたの教会がどのような状態にあるかをチェックするということです。別な言い方をすれば「診断」とも言えるでしょう。これを4つ目のプロセスとして紹介していますが、実際には、これまで述べて来たものと並行して行うのが良いでしょう。
いずれにせよ重要なことは、まだこの時点では「大きな変化・アクション」を起こすべきではないということです。既存の教会、歴史や伝統を持つ教会を改革、再生しようと思ったら、急いでそれに着手するのではなく「事前準備」にじっくりと時間を掛ける必要があるのです。
霊的な土壌はどうか?
あなたの教会のメンバーたちは、御言葉に対してどれぐらいの飢え渇きをもっているでしょうか…。また、説教を聴く時、期待と熱意をどれぐらい持っているでしょうか…。個人の生活の中で、彼らは聖書をどれぐらい頻繁に開くでしょうか…。祈りの習慣や献金の姿勢はどうでしょうか…。自分自身の成長や変化を求めている積極的な人がいるでしょうか…。いるとするとその人は役員ですか?定年退職した方ですか?主婦ですか?学生ですか?
あなたの遣わされた教会はどのような傷を抱えているでしょうか…。私自身、大変に傷ついた状態の教会に遣わされましたので、着任後の数年間、何人もの方から何度も何度も過去の出来事の痛みについて話を聴き、一緒に祈る時を持ちました。同じ一つの出来事であっても、経験する人によって受け止め方、理解の仕方はことなります。「きっとこういうことだったのだ」と安易に決めつけず、丁寧に知っていく必要があります。
また、あなたの教会はどういう良い想い出、霊的な遺産を持っているでしょうか…。きっとどの教会も、過去にいくつかの特筆すべき、霊的に意味深い出来事を経験していると思います。毎年修養会やキャンプを行っていた懐かしい場所があるかもしれません…。過去に特別な役割を果たした人物がいたかもしれません。教会開拓期に労苦した初代牧師や宣教師がいたかもしれません…。既に天に召された祈りの勇士や大胆な証し人がいたかもしれません…。
関係的な土壌
さらに、あなたの教会ではどういう人が発言力や影響力を持っているでしょうか…。この人の鶴の一声で教会が動くという人がいるでしょうか…(そのことの是非はとりあえず置いておいて)。
ドラマや映画を解説するために登場人物の「相関図」が用いられることがありますが、あなたの教会を図にするとどんなものになるでしょうか…。
ミニストリーの土壌
これまでのリーダーシップスタイルはどのようなものだったでしょうか…。たとえば、親分肌の牧師がワンマンで導いて来たとか、ある信徒家族が強い決定権を持って来たとか…。
また、これまで行われてきた伝道プログラム、信徒訓練や学びはどのようなものだったでしょうか…。それらの働きにはどのような成果があり、また、どのような課題があったでしょうか…。今教会にいる信徒はそれをどのように受け止めているでしょうか…。
文化的な土壌
その教会は、変化や新しいことに対して柔軟な姿勢を持っているでしょうか…。それとも、変化に対して恐れや拒否感を抱いているでしょうか…。
教会がこれまで経験してきた変化について調べてみましょう。礼拝の開始時間、礼拝の回数、用いる賛美のスタイルの変化があったでしょうか…。会堂建築を経験しているでしょうか…。海外の教会や宣教団体、超教派の働きとの接点はあったでしょうか…。
まとめ
いくつか例を挙げましたが、おそらくその他にももっとあるでしょう。既存の教会で働きをするとき、神様がその教会をそれまで導いてこられた歴史をしっかりと踏まえ、それを重んじる必要があります。そこにいる人々からよくよく話を聴き、また、教会が残している資料を丁寧に読み解く必要があります。
もちろん、変化が必要な部分が少なからずあるでしょう。教会の抱えている課題を見て「あれもこれも早く変えなければ!」と意気込む思いも分かります。しかし、その変化をリードするには「信頼関係という土壌」を作らなければなりません。
今、あなたには弱さを分かち合える信徒がいるでしょうか?苦言を呈してもそれを素直に受け止めることができる信徒はいるでしょうか?
もしこれらの問いに「Yes」と答えられないなら、事を急いてはいけません。「土壌づくり」が必要です。それについては次の記事で扱いたいと思います。
mentoringservant.hatenablog.com
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