第一歴代誌1-9章
ユダヤ人たちはこの歴代誌の著者が、祭司であり学者、書記でもあったエズラであると考えてきました。それは現在でも有力な推論ですが、聖書そのものは歴代誌の著者が誰であるかをはっきりとは語っていません。
この書は、アダムから始まって、ダビデやソロモンによる王国の確立、そして、滅亡と捕囚という歴史を語っていますが、これらはすでに創世記、サムエル記、列王記などで見てきたことです。なぜ、わざわざ再記述がなされているのでしょうか。
歴代誌は、バビロンでの70年間の捕囚後に帰還した民のために書かれています。捕囚からの解放は喜ばしいものでしたが辛いものでもありました。
当時のエルサレムは荒廃しきっていたのです。礼拝をする神殿もなく、安全を守ってくれる城壁もありません。当時の人々が先祖から聞いてきたダビデ、ソロモン時代の繁栄は見る影もありません。このような状況は、偶像礼拝に陥った民に対して神から与えられた懲らしめでした。
そのような背景の中で、歴代誌は次の6つのことを強調しています。同じ時代のことを単に繰り返しているように見えますが、内容の約55%が歴代誌独自の記述です。
1) 土地、国土について
2) 国家について
3) ダビデの王統について
4) レビ系統の祭司について
5) 神殿について
6) 真の礼拝について
過去において、神の民はこれらのものを軽んじたゆえに全てを失いました。それでも、神の恵みは失われなかったので、彼らは再び約束の地に連れ戻されたのです。歴代誌はそのことを心に留めるよう勧めながら、民に再起を促します。
さて、特に1-9章は「系図」が中心です。しかも、舌を噛みそうな(既に噛んだ!)カタカナの名前の羅列なので、読むのには骨が折れますね。以下が継続の要約です。
アダムからアブラハムまで(1:1-)
アブラハムの子ら(1:28-)
イスラエルの子ら(2:1-)ダビデの子ら(3章)
ユダの子孫たち(4章)
ヨルダン東岸の氏族(5章)
レビ族(6章)
その他の氏族(7章)
ベニヤミン族(8章)
エルサレムの居住者(9章)
国家を再建し、神殿と礼拝を再興していく上で歴史を学ぶことは重要です。人類の歴史全般においても、家族や教会の歴史においても言えることですが、歴史の中には「人間の罪」と「神の恵み」の両方が刻まれています。
私たちは過去から霊的教訓をしっかりと学び、神の御心がより成就していく未来を描き、今を一歩一歩踏みしめながら生きるのです。
※The MacArthur Study Bible, Jensen's Survey of the Old Testament, 聖書ハンドブック(ヘンリー・ハーレイ)などを参考にしました。
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