コリント人への手紙の第一を読む上で、いくつかの予備知識を提供しておきたいと思います。
手紙の背景
この手紙は使徒パウロによって、おそらくA.D.54-55年頃に書かれました。これは、彼がこの教会の土台を据えてから約3年後のことです。彼はコリントの教会に様々な問題(争い、性的な罪、賜物の乱用、愛の欠如)などが起こっていることを知り、切実な思いをもってこの手紙を書き送りました。
当時のコリント市は、当時のギリシャにおいて最も重要な都市のひとつでした。国際的な貿易の中心地であり、人口も多く、繁栄していましたが、道徳的には非常に乱れた町でした。また、女神礼拝の中心地でもありました。
アウトライン
0. あいさつ(1:1-3)
Ⅰ. 叱責:罪についての報告(1:4-6:20)
A. 教会における分裂(1:4-4:21)
1) 立場にふさわしくない行動(1:4-16)
2) 福音を理解していないこと(1:17-2:16)
3) 奉仕を理解していないこと(3:1-4:21)
B. 教会における戒規(5)
C. 法廷における争い(6:1-8)
D. 世における汚れ(6:9-20)
Ⅱ. 指示:問いに対する答え(7-16)
A. 結婚に関する考え(7)
B. 偶像に関する考え(8-10)
1) キリストの例(8)
2) パウロの例(9)
3) イスラエルの例(10)
C. 教会の儀式、礼典に関する考え(11)
D. 霊的な賜物に関する考え(12-14)
1) 賜物の起源と目的(12)
2) 愛の内に賜物を用いる(13)
3) 霊的な礼拝の原則(14)
E. 復活に関する考え(15)
1) 復活の確証(15:1-34)
2) 復活の段階(15:35-49)
3) 復活の計画(15:50-58)
F. 捧げ物に関する考え(16:1-12)
0'. 別れのあいさつ(16:13-24)*1
*1:参考:Wiersbe's Expository Outlines on the New Testament