18章のバビロンは、①政治システム、②経済システム、③宗教システムの全てを指しているように見えます。
この幻の成就がどのタイミングであるか正確には分かりません。患難期中の出来事であると考える人もいますし、患難期以前の事柄であると主張する人もいます。いずれにせよ、やがてこれらのグローバルなシステムの繁栄が崩れ去る時がやってきます。21節以下を見ると、大バビロンと呼ばれる大都市が(おそらく大津波によって)完全に機能停止をし、静寂、暗闇を経験することが示唆されています。
それから、私は、天からのもう一つの声がこう言うのを聞いた。「わが民よ。この女から離れなさい。その罪にあずからないため、また、その災害を受けないためです。」(18:4)
神は大惨事の前に、憐れみ深い警告をお与えになります。
地上の商人たちは彼女のことで泣き悲しみます。もはや彼らの商品を買う者がだれもいないからです。商品とは、金、銀、宝石、真珠、麻布、紫布、絹、緋布、香木、さまざまの象牙細工、高価な木や銅や鉄や大理石で造ったあらゆる種類の器具、また、肉桂、香料、香、香油、乳香、ぶどう酒、オリーブ油、麦粉、麦、牛、羊、それに馬、車、奴隷、また人のいのちです。(18:11-13)
あらゆる商品(人間の命さえも)を取引し、富を得ていた人々は、この大バビロンの崩壊で嘆き悲しみます(18:15-19)。もっと悲しむべきことは他にあるはずなのですが、彼らは地上的な富、利益だけに心を奪われているのです。
主イエスのこの言葉を思い起こしましょう。
人は、たとい全世界を手に入れても、まことのいのちを損じたら、何の得がありましょう。そのいのちを買い戻すのには、人はいったい何を差し出せばよいでしょう。(マタイ16:26)
天、聖徒、使徒、預言者たちにとっては、この大バビロンの崩壊は喜びです(18:20)。人々を魔術*1よってだまし(23)、聖徒たちを迫害(24)していた都に正義の裁きが下ったからです。
主イエスを信じる聖徒たちは、世の中の多くの人々が悲しむことで喜び、多くの人々が喜ぶことで逆に悲しむ場合があります。いつも必ずそうだという訳ではありませんが、ある部分ではこの世の中と全く反対の価値観を持っているのがキリスト者なのです。あなたは何を喜んでいますか? あなたは何を悲しんでいますか? あなたは何を欲しがり、何を惜しんでいますか? あなたの価値観は、キリストの求めておられるものと一致しているでしょうか?
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*1:この魔術という言葉は、薬物、麻薬などを示唆する単語である。