道奥 MICHINOKU せみなりお

聖書を学び、聖書で考え、聖書に生きる

第一サムエル記13章

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サウルの率いるイスラエルと、ペリシテ人との戦いが続きます。そのペリシテ人の守備隊長を、サウルの息子ヨナタンの率いる部隊が打ち倒します。当然、ペリシテ人たちは我慢ならず、恨みに燃えて立ち上がります。

 

ペリシテ人もイスラエル人と戦うために集まった。戦車三万、騎兵六千、それに海辺の砂のように多い民であった。彼らは上って来て、ベテ・アベンの東、ミクマスに陣を敷いた。(13:5)

 

 

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19節以下にあるように、当時のイスラエル人は鉄器を持っておらず、それよりも弱い青銅器を使っていました。鉄器を携えたペリシテの大軍が押し寄せ、イスラエル人たちは恐れおののいて震えながら身を隠します。そのような中、サウルはある人物がやって来るのを待っていました。

 

それは神の人サムエルです。引退宣言をしたサムエルでしたが、まだまだ影響力は絶大です。「彼がやって来て祈りを捧げてくれるなら神の力が注がれる」という期待があったのでしょう。しかし、サムエルは、彼自身がサウルと交わした期日が来ても一向に現われませんでした。

 

サウルは、サムエルが定めた日によって、七日間待ったが、サムエルはギルガルに来なかった。それで民は彼から離れて散って行こうとした。そこでサウルは、「全焼のいけにえと和解のいけにえを私のところに持って来なさい」と言った。こうして彼は全焼のいけにえをささげた。(8-9)


イスラエルの民はますます失望し、戦意を喪失し、サウルからも心が離れつつありました。ここでサウルは一大決心をした(してしまった)のです。彼は「全焼のいけにえ」を捧げました。

 

民を代表して神に礼拝を捧げることは、皆の心を一つにする良い方法のように見えるかもしれません。しかし、ここには大きな問題があります。サウルはいけにえを捧げる資格を持つレビ人、祭司ではありませんでした。彼がしたことは、神の定められた基準に対する挑戦でした。

 

ちょうど彼が全焼のいけにえをささげ終わったとき、サムエルがやって来た。サウルは彼を迎えに出てあいさつした。(13:10)


この「ちょうど」はあまりにタイミングが良過ぎるので、サムエルが意図的にサウルをテストしたと考える人もいます。それの可能性は高いでしょうし、いずれにせよ間違いなくこれは神様からのテストでした。そして、彼は失格してしまったのです。

 

サウルは懸命に言い訳をします。「民はバラバラになってしまうし、そもそもあなたが約束通り来てくださらなかった訳だし、敵は目前に迫っているし、だから私は、今こそ主に祈ることが必要だと考えたんです」と饒舌に語っている姿は、自分の罪を正当化しようと慌てている時の私たちの姿に重なります。

 

サムエルはサウルに言った。「あなたは愚かなことをしたものだ。あなたの神、主が命じた命令を守らなかった。主は今、イスラエルにあなたの王国を永遠に確立されたであろうに。今は、あなたの王国は立たない。主はご自分の心にかなう人を求め、主はその人をご自分の民の君主に任命しておられる。あなたが、主の命じられたことを守らなかったからだ。」(13:13-14)

 

神様がサウルに求めておられたことはとてもシンプルでした。それは、サムエルを通して告げられていた「主の命令を守ること」です。リーダーシップを発揮し、戦いに勝つためにサウルがしなければならなかったことは、優れた戦略や武器でもなく、また、パフォーマンスや人心掌握術でもなく、主ご自身がお命じになった命令を守ることだったのです。それに背いたサウルは、最終的に王国を失っていくことになります。


サウルの時代から約一千年後、イエス様はこう語られました。

 

「だれでもわたしを愛する人は、わたしのことばを守ります。そうすれば、わたしの父はその人を愛し、わたしたちはその人のところに来て、その人とともに住みます。わたしを愛さない人は、わたしのことばを守りません。あなたがたが聞いていることばは、わたしのものではなく、わたしを遣わした父のことばなのです。」(ヨハネ14:23-24)

 

「命令を守る」「主イエスのことばを守る」ということは、味気ない無機質なことではありません。それは神様への「愛そのもの」です。聖書を学ぶこと、聖書に基づいて考えようとすること、聖書から教えられたことを下手くそであってもまっすぐに実行しようとすること、それは神への愛そのものです。

 

だから私はこう祈りたいと思います。

 

「言い訳や言い逃れをせず、聖書によって教えられている主のご命令に従っていきたいです。シンプルでまっすぐに、みことばに従う生き方をしたいです。それこそが、あなたを愛して生きる唯一の正しい道ですから。主よ、あなたを愛します。あなたを情熱的に愛して歩み続けたいです。どうぞ私たちを助け、導いてください。主イエスの何よって、アーメン。」

 

 

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